水道法をやさしく読む。給水義務、水質基準、情報公開、そして2024年の省庁移管
2026-09-10 更新
水道水を守っている法律の全体像。水道事業の認可、給水義務、51項目の水質基準、検査と公表の義務、2018年改正と2024年の国交省・環境省への移管まで。
何を決めている法律か
水道法は1957年にできた、水道の設置と管理の基本を定める法律です。目的は「清浄にして豊富低廉な水の供給」で、つまり、きれいで、たっぷりあって、安い水を届けることです。この一文が、その後のすべての条文の根っこになっています。
水道事業は「認可制」
市町村などが水道事業を行うには国や都道府県の認可が要り、原則として市町村が経営します(市町村経営の原則)。給水区域内で申し込みがあれば、事業者は正当な理由なく断れません。これが給水義務で、水道が電気やガスと同じ「公益事業」として扱われる理由です。
水質基準と検査
水道水は「水質基準に適合するもの」でなければならないと定められ、具体的な項目と値は省令で決まります。現在は51項目で、一般細菌や大腸菌、鉛やヒ素などの重金属、トリハロメタン、硬度、pH、味、臭気、色度、濁度などが並びます。2026年4月には PFOS と PFOA が加わりました。
事業者は定期の水質検査を行い、結果を保存し、利用者に情報提供する義務を負います。この情報提供の義務(水道法24条の2)が、各水道局が水質検査結果をウェブに載せている根拠で、このサイトが使っているデータの出発点でもあります。
2018年改正で変わったこと
人口減少で水道の経営が厳しくなる中、2018年の改正では、都道府県が音頭を取って事業を広域化すること、水道施設の台帳を整備して計画的に更新すること、民間企業に運営権を設定できるコンセッション方式の導入、指定給水装置工事事業者の更新制などが盛り込まれました。広域化の流れで、このサイトにも「広域連合企業団」や「広域水道企業団」が数多く出てきます。この改正で入ったコンセッション方式については、橋本淳司さんの岩波ブックレット『水道民営化で水はどうなるのか』が薄くてわかりやすい。
2024年、厚生労働省から国土交通省と環境省へ
長く厚生労働省が所管してきた水道行政は、2024年4月に、整備や管理は国土交通省へ、水質基準は環境省へと移りました。上下水道を同じ省庁が見るようになり、下水道と一体で老朽化対策を進める体制になっています。
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ほかの読みもの
この記事は公開データと公的な資料をもとに書いています。健康や飲用の判断は、お住まいの水道事業者の最新の公表値をご確認ください。