トップ › 読みもの

⚖️

下水道法をやさしく読む。接続の義務、放流水の基準、流域下水道

2026-09-10 更新

使った水を安全に川へ返すための法律。公共下水道と流域下水道、排水設備をつなぐ義務、処理場の放流水に課された基準、供用開始の公示までを整理します。

目的は「まちの水を安全に返す」こと

下水道法は1958年の法律で、都市の健全な発達と公衆衛生の向上、そして公共用水域の水質保全を目的にしています。上水道が「届ける」法律なら、下水道法は「返す」法律です。

公共下水道と流域下水道

市町村が管理するのが公共下水道、複数の市町村の下水を都道府県がまとめて処理するのが流域下水道です。「○○流域下水道△△処理場」という名前の施設は後者で、隣の街の下水があなたの街の処理場に来ていることもあれば、その逆もあります。このサイトの街ページに「○○県」が運営者として出てくる処理場は、たいてい流域下水道です。

つなぐ義務がある

下水道が使えるようになった区域では、建物の所有者は遅滞なく排水設備を設けて下水道に接続しなければなりません。くみ取り便所は3年以内に水洗に改造する義務もあります。下水道が「使えるようになった」ことは公示され、区域の図面は誰でも閲覧できます。これが、下水道の台帳図が比較的オープンな理由です。

放流水の基準

処理場から川や海に返す水には、政令で水質の基準が課されています。代表的なのは BOD 15 mg/L 以下、SS 40 mg/L 以下、大腸菌群数3,000個/cm³ 以下で、湖や閉鎖性海域に流す場合は窒素やリンの基準も加わります。処理場ごとの放流水質は各自治体が公表していますが、形式はばらばらです。

工場排水には「除害施設」

有害な物質を含む工場排水は、そのまま下水道に流すと処理場の微生物が死んでしまいます。そこで一定の水質を超える排水には、事業所側で前処理する除害施設の設置が義務づけられています。処理場から川に出ていく化学物質の量が PRTR で公表されるのは、こうした流入をたどる仕組みの一部です。

📖 この話題を本で読むなら:川・雨・気候変動を扱った本

ほかの読みもの

この記事は公開データと公的な資料をもとに書いています。健康や飲用の判断は、お住まいの水道事業者の最新の公表値をご確認ください。