PFOS・PFOAとは?2026年4月に水道水の「基準」になって変わったこと
2026-09-09 更新
永遠の化学物質と呼ばれるPFAS。暫定目標値から水質基準へ格上げされた経緯、50 ng/Lという数字の意味、全国の検査状況を整理します。
PFASってなに?
PFAS(有機フッ素化合物)は、炭素とフッ素が強く結びついた人工の化学物質のグループで、1万種類以上あります。ニュースで耳にする「ピーファス」はこの PFAS のことです。水や油をはじく性質があり、泡消火剤、撥水加工、フライパンのコーティングなどに広く使われてきました。分解されにくく環境や体に残りやすいことから「永遠の化学物質」とも呼ばれます。そのうち特に問題になっているのが PFOS と PFOA の2つです。
日本のルールの変わり方
- 2020年: 水道水の「水質管理目標設定項目」として、PFOS と PFOA の合計で 50 ng/L の暫定目標値を設定。検査は任意でした。
- 2026年4月: 水質基準項目に格上げ。全国の水道事業者に定期検査(おおむね3か月に1回以上)が義務づけられ、超えた場合は改善が求められます。値は 50 ng/L のままです。
ng(ナノグラム)は10億分の1グラムです。50 ng/L は、東京ドームいっぱいの水に角砂糖を数十個溶かしたくらいの濃さで、非常に低い濃度を測っていることになります。
全国の状況
このサイトの元データ(令和5年度)では、検査していた浄水場系統は約2,300で、数値として検出されたのは約460系統。ほとんどは数 ng/L 台で、50 ng/L を超えていたのは3系統だけでした。岡山県吉備中央町では 1,000 ng/L を超える値が見つかりました。町が置いた原因究明委員会は令和6年9月、資材置場に置かれていた使用済みの活性炭が原因と考えるのが妥当だと結論づけています。汚れていたのは浄水場ではなく、その水をためていたダムのほうでした。町は河平ダムからの取水を止め、日山ダムに切り替えています。
2026年度からは検査が義務になったので、これまで「未検査」だった街も順次、値が公表されていきます。
数値の読み方
- 「<5」のような表示は「検出限界未満」で、検査したが測れないほど低かったという意味です。
- 基準内の数値が出ていても、飲用に問題はないとされています。
- 気になる場合は、活性炭や逆浸透膜の浄水器で低減できます。浄水器協会は PFAS 除去性能の自主規格を設けています。
PFAS が体にどう入り、血液検査で何がわかるのかは、住民の検査を続けてきた原田浩二さんの『これでわかるPFAS汚染』が図解で説明しています。
📖 この話題を本で読むなら:PFAS を扱った本
都道府県や街の名前で絞り込めます。
ほかの読みもの
この記事は公開データと公的な資料をもとに書いています。健康や飲用の判断は、お住まいの水道事業者の最新の公表値をご確認ください。